薬事法違反事件。
おはようございます


今日は、晴れて良かったですね

今週最後の金曜日、張り切って飲みましょう


昨日も、さいたま地裁の傍聴記をお話しました



この時代にそぐわない、凶器準備集合という事件でしたね


さて、本日も、さいたま地裁傍聴記をお話します




ボクは、昨日お話した事件が終了した後も、折角だからと思いそのまま傍聴することにしました




その理由は、凶器準備集合事件の判決が言い渡されている最中、ダンボールを抱えたスーツ姿の三人組が入ってきたからです



その三人組は、法廷に入って直ぐの席に座りました


ボクは、その姿を見た時に、〝あっ、次の公判担当の検察官だ〟と、直感しました



何故なら、法廷にダンボールを持参する傍聴人なんて居ないからです




だから、何らかの証拠品なんだろうなと思ったのです



しかし、次の事件は薬事法違反事件ですから、そうたいした事件ではないのに、サカイ引越センターが使うようなダンボールを持参するなんて、一体何なんだろうなというギャップに惹かれたのです


それと、このまま移動しなくていいと言う理由もありました


以上の理由から、ボクは当初予定になかった、薬事法違反事件を傍聴しようと決めたのです


なので、傍聴メモは一切取ってません




では、事件名等を振り返ります


事件名 薬事法違反
被告人 失念…
法廷 302号法廷
内容 審理
と、いう事件で、この日の公判が判決でもなければ、初公判でもありません


ですから、薬事法違反事件と言っても、一体どんな事件か、さっぱり分かりません



でも、あのダンボールが非常に気になるし…



案の定、凶器準備集合事件の判決が終わると、入れ替えで三人組の検察官が法廷へと入って行き、ダンボールを開けて中の物を取り出し、検察官席の前の長テーブルに置いていきました



やはり、ボクの読みは正しかったのです


ボクは、ダンボールから証拠品を取り出す様子を見て、〝何で、薬事法違反なのにそんなに証拠品を出すのだろう…〟と、不思議でなりませんでした


全く無知の状態で傍聴しようとしてるので、さっぱり分かりません



と同時に、ワクワクもして来ました


そして、開廷時間少し前に被告人が入廷して来ました


この時、連行していたのは警察官だったので、この被告人はまだ警察の留置場に居るということです



被告人は、40代の男性で、色白で、昔のアイドルのような顔をしていました


なかなかの男前でした


入廷すると、傍聴席の方に目をやり、ニコッと目で挨拶をしていました


この被告人の行動は、胸が痛いほど分かります



何故なら、ボクもそうしていたからです





法廷では、傍聴人と私語は交わせないので、目で話すしかないのです



ボクは、何度となく清田君と目で話したことか…



そんなノスタルジーに浸っていると、裁判官から、
『それではお揃いですか

と、双方に確認し、
『それでは開廷します』
と、言って公判が始まりました



と、言うのは、先程の判決の言い渡しの後、裁判官は退席せずにそのまま座って居たのです



これは、よく見る光景で、前の裁判と次の裁判の時間がタイトな場合、裁判官はそのまま残ることが多いのです


ただし、前の裁判が判決の時が多いですね


恐らく、判決の場合は、判決文を読み上げるだけですから、裁判記録がごちゃごちゃにならなくて済むからでしょう


そして、公判が始まると、検察官が追加の証拠請求があるとの事で、それを被告人に示す為に検察官がダンボールを持参してきたのです



弁護人は、検察官の証拠に全て同意したので、検察官は一つ一つ被告人に示し確認します



まっ、こんなのは、極めて形式的なセレモニーで、証拠品として押収されている物を見せた所で、〝はい。私のです。〟って言うに決まってるじゃないですか


当然ながら、この被告人も、検察官の質問に全てハイと答えていました


つまり、これらの証拠品は全て私の物ですと、改めて認めたということです


その後は、弁護側立証で、被告人の情状証人でした



情状証人とは、刑事事件の裁判で、刑の量定にあたって斟酌(しんしゃく)すべき事情を述べるために、公判廷に出廷する証人のことです


弁護側の場合、被告人の家族や知人などが、寛大な処分を求めて被告人に有利な事情を述べます


被告人の場合は、情状証人は母親でした


母親が、息子に寛大な処分を求めるために、法廷で証言するなんて、ホントに嫌ですよね…


この証人尋問で、事件の詳細が明らかになっていきました



どうやら、薬事法違反とは、蓋を開けてみると、被告人が脱法ドラック、今で言う危険ドラッグを販売していたそうなのです

そういう意味での薬事法違反だったのです



そもそも、危険度ラック自体を取り締まる法律はないので、何とか法律を適用する為に、薬事法違反という罪名をこじつけたのです



更に質問が及ぶと、被告人は暴力団の元構成員で、名古屋から逃げる形で東京都内に引越しして来たそうです



それから、危険ドラッグを販売する仕事をして生計を立てていたそうです



弁護人の質問は、いかに被告人が母親想いの優しい子かを訴えていました



と、言うのは、母親は足が悪く、杖を突きながらでないと歩行が困難で、法廷に入り証言台に座るまでの一連の動作も、実に大変そうでした



しかも、今日の情状証人の為に、わざわざ名古屋から出てきたそうです



ホント、ご苦労様ですね


そんな母親を想い、被告人は逮捕前、毎日電話で母親の体調を気遣っていたそうです



とは言うものの、被告人からはそのような感情は全く見えて来ないのです



もし、そんな優しい気持ちがあるのなら、自分の為に証言する母親を見て、胸が締め付けられて見ていられないでしょう



しかし、被告人はふてぶてしく座って、母親と目も合わせようとしないのです



普通は、目元が潤んだり、証言する母親を、慈愛に満ちた眼差しで見詰めると思うんですがね…



そういう行動が一切ないんですよね



一体、この被告人は何を考えているのでしょう




また、母親も一生懸命なのですが、年のせいなのか、弁護人の質問に見当違いな証言をしていたりで、観ていて可哀想でした


弁護人の後は、検察官と裁判官も幾つか質問をしましたが、やはり時折要領を得ない回答で、質問の仕方を変えたりと苦慮していました



そんなこんなで、約30分位で情状証人は終了し、母親は杖を突きながら法廷を出ました


その後は、次回の日程を打ち合わせて、この日の公判は終了しました



因みに、ボクの場合は、情状証人は居ませんでした



何故なら、完全否認していたからです



だって、完全否認しているのに、〝どうか寛大な処分を…〟と、言うのは矛盾しているじゃないですか



やってないんだから、反省する必要はないのですから、情状証人を呼ぶ必要性は一切皆無です



なので、ボクに情状証人なんて選択肢は一切ありませんでした

つくづく、それで良かったと思っています



以上、思い付きで行った、さいたま地裁の裁判傍聴記でした



15時頃から行ったのに、三件も傍聴できて良かったです


また、思い付いた時は、足を運んでみようと思います


さて、来週は、ここ最近あった無罪判決についてお話する予定です



それでは、良い週末を





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