日本初(?)有罪率99.9%の刑事裁判で〝二度も〟無罪判決を勝ち取った男のブログ!

過去、二度も刑事裁判の被告人として法廷に立たされるも、自力で反証、反駁をし二度も無罪判決を勝ち取る!そんな私が、あらゆる事を綴る!

弁護人の巧みな主張。

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 前回は、状況証拠について身近な例を挙げてお話ししました

 簡単におさらいすると、状況証拠とはそれ自体が直接犯罪事実を証明している訳ではないが、間接的に犯罪事実を証明していると思料される証拠、でしたね

 〝浮気〟の例で言えば、浮気を疑うメールはそれ自体では浮気した事を証明している訳ではないが、間接的に浮気をしたのではあるまいかとの推認を抱かせる証拠であるという意味です


 では、この例え話と〝佳苗ちゃん〟事件とがどう絡んでいるのか


 それは、〝佳苗ちゃん〟の一審判決はこの例え話で言うブス子からのメールで浮気をしたと認定されてしまったのです

 当然、〝佳苗ちゃん〟本人は「浮気なんかしていナッシー」と頑強に否認しているのにも拘らずです

 勿の論、実際の佳苗ちゃん事件では、数々の状況証拠を積み上げて事実認定がなされているので、例え話で言うメールの存在だけで、有罪(死刑)になった訳ではありません…

 しかし、どれもこれも佳苗ちゃんが殺したと言う直接的な証拠は存在しないんです…

 例えば、自殺をしたと言う直前まで一緒に居たとか、自殺に使われた練炭が〝佳苗ちゃん〟の部屋(ニューシティーレジデンス1404号)から同じ物が出て来たとか、インターネットの履歴から自殺に使われた練炭と同じ物を購入していたとか…等々。

 ここには、書ききれない位の数々の〝怪しい状況〟が積み重なって、〝佳苗ちゃん〟は三人の男性を殺害したと〝推認〟され一審で死刑判決を受けたのです

 
 ボクは、状況証拠だけで事実認定をする事に、非常に疑問があります

 何故なら、〝疑わしきは罰せず〟の理念と相反するからです。

 〝疑わしきは罰せず〟とは、刑事訴訟法の基本的理念で、簡単に言うと疑わしいだけでは有罪には出来ない、と言う意味です

 ザックジャパン、あっ、ザックバランに言えば、〝こいつ怪しいな〟だけでは有罪に出来ない、と言う意味です。(笑)

 しかし、現実は〝疑わしきは罰する〟と言うのが現状で、〝こいつ怪しいな〟だけで有罪とされてしまうのです…。

 ですから、〝佳苗ちゃん〟事件の場合、数々の〝怪しいな〟を積み重ねられて犯人と認定されたのです

 そうすると、既述の〝疑わしきは罰せず〟の理念と矛盾していると思いませんか

 だって、刑事訴訟法の基本理念は怪しいだけでは有罪にしちゃいけませんよ、と言っているのに〝佳苗ちゃん〟の一審判決は、怪しいから有罪ね、とされたからです。

 ただ、勘違いして欲しくないのは、ボクは〝佳苗ちゃん〟の味方でも何でもありません

 あくまでも、元同じマンションの住人とは言え、中立的な立場で意見を述べているだけです。(笑)


 これは、敢えて言うまでもなく、刑事裁判の立証責任は検察官にあり、検察官が被告人が犯人であることを合理的な疑いを超えて証明できれば有罪となり、それが出来なければ被告人は無罪です。

 状況証拠をいくら積み上げても、反対事実の存在の可能性を許さないほどの確実性を持った証明に達しなければ、被告人を有罪としてはいけません…


 この点の矛盾について、神山弁護人は平成22年の最高裁判例を引用しながら、〝佳苗ちゃん〟事件と当てはめながら論述して行きました

 改めて、最高裁判例を振り返ると、

 『状況証拠によって認められる間接事実中に、被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明することができない(あるいは、少なくとも説明が極めて困難である)事実関係が含まれていることを要するというべきである』

 でしたね
 
 この判例を、神山弁護人は、
 
 『被告人が犯人だとすると、説明が極めて困難な事実が存在し、反対仮説も否定出来ない
 
 と、極めて分かり易く前記の最高裁判例と絡めて読み上げて行きました

 ボクは、この論述を傍聴席で聴いていて、『ホント、上手いな』と感嘆していました


 そのせいか、裁判長を始め三人の裁判官は、神山弁護人が読み上げる書面にしっかりと目をやって文字を追い掛けていました

 内柴事件の時は正反対で、裁判官達は書面には目もくれず、ボケーッと椅子に座っているだけでしたから、明らかにその状況を見ているボクとしては、この裁判官達の姿勢に驚きを隠せませんでした

 と、同時にボクは、『この裁判官達の様子から、ちょっと面白い展開になるかも知れない…』と直感しました

 そして、このボクの直感は正しかった事が証明されました…。


 さて、次回は裁判所は弁護人の控訴趣意書を聴いて、一体どのような判断を下したのかをお伝えします