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日本初(?)有罪率99.9%の刑事裁判で〝二度も〟無罪判決を勝ち取った男のブログ!

過去、二度も刑事裁判の被告人として法廷に立たされるも、自力で反証、反駁をし二度も無罪判決を勝ち取る!そんな私が、あらゆる事を綴る!

一年七ヶ月振りの〝シャバ〟。

 東京拘置所地下一階領置調べのフロア。


 全部の荷物を台車に乗せると、職員から『こっちに来て』と、促されてカウンターの前へと移動する。

 このフロアは、入口を入って右手の壁沿いに所謂〝ビックリ箱〟がズラッ~と並んでいて、左手の壁沿いにはカウンターが並んでいます。その間に、広いスペースがあり、そこに青色のストレッチをする時に使うマットが敷いてあり、その上に荷物を並べて整理をします。

 カウンターは、入所時に個人情報を訊かれる際に使用されて、ボクも一審の時に勾留されていた千葉拘置所から移送になった時には、カウンター越しに職員から、氏名や住所、判決内容、何で控訴したのか等々、根掘り葉掘り訊かれました。

 そして、このカウンターで最後の〝儀式〟が執り行われました。名前を呼ばれて、カウンターの前に立ち、一通りの人定確認の後、職員から

 『それでは、本日あなたには無罪という判決が出ましたので、これから東京拘置所より釈放します。』

 と、言われ〝釈放〟という言葉を聞いた瞬間は身震いがしました。(笑)

 また、「やっと!この時が来たのかぁぁぁぁぁぁぁぁ!」と、心の中で快哉を叫んでいました。

 
 そして、職員が用意した書類に最後の指印を押します。

 何故か、この時の指印は左手人差し指の第一関節をポンッと押すのではなく、第二関節まで黒い朱肉を付けて、押してからグルッと指を回転させる、〝ねちっこい〟指印でした。その後、指に付いた朱肉をティッシュで拭きとります。

 これで、拘置所での〝儀式〟は終了し、いよいよ自由への世界と歩を進めます。


 職員に先導されながら、ゆっくりと台車を押して行き、地下一階から一階へとエレベーターを上がって行きます。

 この時の心境は、一歩一歩近づいて来る〝自由の世界〟に対して、何故か緊張していました。(笑)これが、ごくごく当たり前の世界だと言うのに…。その位、一年七ヶ月と言う時間は長かったのでしょう。

 そして、エレベーターを降りて廊下を少し歩くと、職員がカギを開けてドアを開きました。すると、そこは東京拘置所に面会に来た人が通る、長い廊下の途中でした。
 
 東京拘置所に、一度でも面会に来た人なら分かると思いますが、東京拘置所では面会室に行くのに、受付の所から左にカーブした長い廊下を進み、突き当りを右に曲がり少し歩くと、やっとエレベーターホールがありそれぞれの階へと向かいます。

 その、突き当たった所に、「関係者以外立ち入り禁止」の立て看板と、「→」と、行き先を示す看板の奥のドアから出て来ました。

 そのまま、面会に来た人が辿るルートを台車を押して歩いて行き、受付に設置してある金属探知機の検査場を過ぎます。


 すると、面会受付の所に、ボクの家族が待っていて、この上ない笑顔で

 『お帰り!』

 と、労いの言葉を掛けてくれて、ボクは上手く言葉が見付からず

 『アリガトー』

 と、言う実にありきたりな言葉でしか返答できませんでした。(笑) 

 今、振り返ると、こうなる事を夢見ていたとは言え、実際にそうなった現実が全く信じられなかったからだと思います。(泣)

 そのまま台車を引きながら、面会受付のエントランスを抜けて、自動ドアを過ぎます。


 そして…


 眼前に広がる、東京拘置所の駐車場…。

 この景色を、ブレスレッド(手錠)無しで見れるなんて、何と尊いのか!


 色々な想いが交錯しながら、又、この状況が信じられない想いを乗せて、台車を拘置所の駐車場の入口まで運んで行きます。

 ここで、台車から荷物を降ろし、台車を返却して、もう拘置所とはバイバイです。後は、どうぞご自由に、と言った感じになります。

 荷物がたいした量じゃなければ、そのまま電車で帰っても良かったのですが、なんせダンボール四箱に布団一式と言う大荷物だったので、流石に電車は無理なので、タクシーを手配しました。

 タクシーを待っている間、繰り返し出て来る言葉は

 『これ、現実だよね?』

 と、言う様な、この現実を受け入れていない言葉ばかりでした。(笑)

 また、この時、ホント久しぶりに自動販売機で缶コーヒーを買いました。たかだか、缶コーヒーを買う事にさえ感動してしまいました。(笑)

 何故なら、この一年七ヶ月〝自分の好きな時に〟〝自分の好きな物を〟〝自分の好きなだけ〟買う事が出来なかったからです…。

 そうこうしているうちに、迎車のタクシーが到着し、荷物を詰め込み一年七ヶ月振りに家路へと向かいました…。