仮釈放(2)
おはようございます



今日は、何だか蒸し暑いですね



今週最後の金曜日、張り切って行きましょう


昨日は、彼女の仮釈放についてお話ししましたね


彼女にとって、待ちに待った〝紙が入った〟訳ですが、そこからは彼女の思うようには行かず、焦燥感が募っていましたね



そこに、追い打ちをかけるように、部屋でトラブルがあり、調査されてしまいました




果たして、そこからどうなったのかと言うのが、今日のお話です



内 『トラブルがあったけど、無事に本面接は出来たの

X 『出来たよ。』
内 『その時は嬉しかった

X 『嬉しかったね。』
内 『本面接って、仮面接とどう違うの

X 『仮面接と全く一緒だった。』
内 『そうなんだ。場所とかも

X 『そう。』
内 『そっからさ、どういう風に合否が決まるの

X 『ってか、もう決まってるようなものなんだけどね。』
内 『まっ、仮面接とかは形式的なものでしょう

X 『そうそう。よっぽど、懲罰行ったりとか問題を起こさない限りはまず大丈夫だよね。』
どうやら、彼女が調査になった事は、特に仮釈放に影響は無かったようです


尤も、彼女自身がトラブルを起こした張本人ではないので、当然っちゃ当然なんですがね


そして、無事に仮面接から本面接のステージへと昇華しました



これでまた、仮釈放に一歩近づいたことを意味します



ただ、彼女によると、仮釈放の対象になった時点で、ほぼ仮釈放は決まったようなもので、何か問題を起こさない限りはまず仮釈放が取り消されることは無いそうです



従って、仮面接、本面接はホント形式的なものなのです



刑務所と言えども、所詮は〝お役所〟ですから、一応形式が揃っていないといけない訳です


だから、階段を一歩ずつ登るような手続きが必要なのです



話は続きます





内 『本面接後はどうなるの

X 『ちょっと経ってから、釈前房(しゃくぜんぼう)に移動するの。』
内 『そこは、どんな所なの

X 『ドアに鍵が無い部屋で、出入り自由なの。』
内 『へぇ、鍵が無いんだ。ここは独居


X 『雑居だったけど、私は二人だったの。その片割れがさ、工場で超嫌われていたオバちゃんで、何か自分の事を〝セレブ〟とか言っててさ。(笑)嫌だな、と思いながらもしゃべってみると、意外と良い人だったから、〝シャバに出たら遊ぼうね〟とか言って、電話番号を交換したの。』
内 『へぇ、それで

X 『で、私出てから電話したら、〝この番号は現在使われておりません〟だったの。(笑)』
内 『ハハハ。そうなんだ。(笑)』
X 『ホント、頭来たよ

内 『じゃあ、釈前はトイレは部屋にないの

X 『ないよ。部屋の外にあるの。』
内 『ってことは、ご飯も部屋では食べないんだ

X 『食べないよ。食堂でみんなで食べるの。』
内 『因みに、釈前だからと言って、〝銀シャリ〟ではないの

X 『違うよ。普通の麦飯だったよ。』
内 『へぇ。釈前では色んな工場から集まって来るんだよね

X 『集まって来るけど、初犯と再犯に別れるの。』
内 『そうなんだ。でも、比較的自由なんでしょう

X 『全然自由だよ。お風呂掃除するとか言って、普通にお風呂に入ってたもん。(笑)』
内 『大丈夫なのそんなことして

X 『ここまで来ると、刑務官もいちいちうるさい事言わないからね。』
内 『確かにそうだよね。もう、工場にも行かないんでしょう

X 『行かないよ。一日中、テレビ観てる感じだよ。』
内 『この釈前の二週間は、どんな事を思っていたの

X 『もう、ワクワクとドキドキだよね。』
内 『そうだよな。彼此、二年間も入ってたんだからね。』
本面接が終わり、少し経つと〝釈前房(しゃくぜんぼう)〟と言う、部屋に移動します



通称、〝釈前(しゃくぜん)〟と言います



そこで、仮釈放当日まで過ごすそうで、かなり自由だそうです


今まで居た舎房とは大きく異なり、出入り自由で、トイレも食事も全て部屋の外で行うそうです



例えるなら、合宿所みたいなものでしょうか


ですから、トイレに夜中行く時も、一回部屋の外に出てから行くので、今まで居た部屋とは180度違います



今までは、トイレも洗面も食事も、全て部屋の中で行っていましたからね



それに比べたら、実に雲泥の差です



もう、釈前に移ったら、工場にも行かず毎日テレビを観ている日々だったそうです



刑務官もガミガミうるさくないそうで、かなり自由気ままに過ごしていたそうです



まっ、遅かれ早かれ仮釈放で出る受刑者に、目くじら立ててガミガミ言っても仕方無いですからね



この時の彼女の心境は、ドキドキとワクワクが綯い交ぜになっていたそうです



そりゃそうでしょう


逮捕から二年以上、シャバとの世界から隔離されていたんですからね



何も感じない訳がありません



こうして、長いようで短いような二週間が過ぎ、いよいよ彼女は二年振りにシャバの世界へと舞い戻ります




この続きは、来週お話しする予定です



それでは、良い週末を




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