日本初(?)有罪率99.9%の刑事裁判で〝二度も〟無罪判決を勝ち取った男のブログ!

過去、二度も刑事裁判の被告人として法廷に立たされるも、自力で反証、反駁をし二度も無罪判決を勝ち取る!そんな私が、あらゆる事を綴る!

何故、嘘をついたのか?



 こんにちは

 今日は、イマイチな天気ですね

 今週も、張り切って行きましょう


 先週は、ボクが大変注目していた美濃加茂市長の無罪判決についてお話しました

 ホントにホントに良かったですね


 さて、今日は、当初の予定を変更してお話します

 今日は、引き続き美濃加茂市長の無罪判決について触れたいと思います


 おさらいですが、今回の事件の最大の争点は、お金を渡したとされる中林受刑者の供述の信用性でした

 結果、裁判所の判断は、その供述の信用性を否定しました

 分かりやすく言うと、中林受刑者は嘘をついていると判示したのです

 そこで、皆さんは、こう思いませんでしたか


 何で、渡してもいないお金を、渡したなんて言う必要があるのだろう、と


 だって、市長にお金を渡していない以上、贈収賄事件そのものが存在しないんですから、殊更そんな事を言う必要はないわけです

 にも拘わらず、どうして中林受刑者はそんな事を言ったのか

 それについて書こうと思った矢先に、素晴らしいタイミングで、朝日新聞の社説でその点について触れていたので引用します


 社説)市長無罪判決 捜査の過程を検証せよ


 捜査機関はどのように供述を引き出し、その内容を吟味してきたのか。
 大きな疑問符がつく事件である。
 事前収賄などの罪に問われた岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長に、裁判所が無罪を言い渡した。
 判決は、市長に現金を渡したという男性の証言の信用性に疑いを投げかけ、検察官の意向に沿ってウソの供述をした可能性にまで踏み込んでいる。
 現職市長を逮捕し、法廷に立たせた責任は重い。
 
 控訴の有無にかかわらず、警察・検察は捜査過程を綿密に検証すべきだ。
 事件には現金のやりとりがあったことを示す直接の証拠はなく、「贈賄」側の男性の「自白」に大きく頼っていた。
 
 自らも贈賄の罪に問われるのに、渡していない金を渡したと証言する人は、ふつうであればいないだろう。
 このケースが特異なのは、男性が自白した当時、別の大型融資詐欺事件の捜査を受けていたことだ。
 融資詐欺事件の捜査を止めたい、また捜査関係者からよく見られたい。
 そんな理由から男性が捜査機関に迎合し、意向に沿う行動をとった可能性がある。
 判決はそう指摘した。
 
 巻き込まれた市長にとっては、身の潔白を証明する負担は並大抵のものではない。
 深刻な人権問題にもなりかねない。
 密室での取り調べでは、捜査機関側の見立てに沿った供述の強要や、保釈などをちらつかせる利益誘導がおきやすいことがかねて指摘されてきた。
 物証が乏しく、贈賄側の供述が重要証拠になることが多い贈収賄事件では特にその傾向が強い。
 
 今回のケースでは、贈収賄立証のカギを握る「贈賄」側がどのような状況に置かれて出てきた供述だったのか、捜査機関側は客観的にふまえていただろうか。
 立件に直結する重要証拠だからこそ、飛びつくことなく、信用に値するものか厳しく吟味すべきではなかったか。
 取り調べの過程では、供述の見返りに別の事件の訴追の手を緩めるといった司法取引的な要素が入り込むことで、真相から遠のき、ときには冤罪(えんざい)をうみだす可能性さえあることを忘れるべきではない。
 
 警察・検察の取り調べの録音・録画(可視化)を義務づける刑事訴訟法改正案が今国会に提出される予定になっている。
 だが、法案が対象とするのは裁判員裁判で扱う殺人・放火などの重大犯罪が中心で、今回の贈収賄事件も対象にならない。
 適正な取り調べを裏打ちするためにも、国会で可視化の範囲を広げる議論をすべきだ。



 と言う、内容です

 この社説の中でも触れている、判決内容が正に核心を突いているのですが、中林受刑者は、そもそも大型融資詐欺事件で取り調べを受けていたのです

 単なる、無銭飲食のようなみみっちい詐欺事件と違い、大型融資詐欺事件で、そのトータル金額は4億円とも言われています

 これらが全て立件されて、起訴されてしまえば、相当長期間〝ムショ暮らし〟をしないといけません

 
 ここで、詐欺罪と贈賄罪の刑の重さについて見てみましょう


 ○詐欺罪 10年以下の懲役に処され、犯罪によって得たものは没収または追徴される。

 ○贈賄罪 3年以下の懲役又は250万円以下の罰金に処される。



 比較すると一目瞭然で、詐欺罪はマックス10年の懲役で、贈賄罪はマックス3年の懲役です

 ですから、中林受刑者は、巨額融資詐欺事件を全て立件されると、長期間ムショに行かなければならなと考え、そこで懲役の上限が3年の贈収賄事件をでっち上げれば、巨額融資詐欺事件は全て立件されないだろう、と考えたです

 単純に、詐欺事件より贈収賄事件の方が罪が軽いので、詐欺事件全てを立件されるよりは遥かに良いのです

 それに、単なる贈収賄事件ではなく、現役の全国最年少市長との贈収賄事件ですから、警察も検察も大いに食いつくだろうとの計略もあったのでしょう

 そこで、アリもしなかった贈収賄事件をでっち上げ、巨額融資詐欺事件を〝握って〟もらおうと考えたのです

 ここで言う握ってとは、握り潰してもらう、すなわち不問にしてもらうと言う意味です

 従って、〝暗の司法取引〟が行われたのです


 その点を、判決でもバッサリと斬っています


 「融資詐欺で捜査を受け、捜査機関の関心をほかの重大な事件に向け、捜査の進展を止めたいと考えたり、自身の情状を良くするため、捜査機関の意向に沿う行動に出ようと考えることは十分あり得る」


 と、判示しています

 正に、その通りだと思います

 ってか、それしか有り得ませんよね


 では、この〝暗の司法取引〟は日常的に行われているのかと言うと、表面化しないだけで、結構あるとボクは思います

 例えば、覚せい剤の使用と窃盗で逮捕された容疑者が居たとします

 この時、窃盗はかなり大掛かりな窃盗で、警察としても全て立件出来れば大きなポイント(手柄)になります

 そうした時、容疑者は、〝窃盗の件は全て話すから、シャブは握ってよ〟と、交渉します

 そうすると、覚せい剤の件は不問にしてくれる事は良くあります

 
 これは、覚せい剤使用の罪よりも、窃盗の罪の方が重いからです

 ですので、窃盗を全て立件出来るなら、覚せい剤の使用なんてどうでもイイのです

 逆に、警察が、この交渉を突っぱねたら、容疑者はへそを曲げて全く供述しなくなるかも知れないので、警察としてはそっちの方が不利益です

 こういった、警察との〝ネゴシエーション〟は、良くあることです


 しかし、今回の場合は、前記の例え話とは逆ですよね

 逆の意味とは、これから自供する贈収賄事件の方が、罪が軽いという事です

 元々捜査していた、巨額融資詐欺事件の方が、遥かに罪が重いわけです

 ですから、巨額融資詐欺事件の全てを自供してくれた方が、警察としては、罪の重さで言えばありがたいワケです

 ところが、前述のとおり、今回の贈収賄事件は、現役最年少市長との間で起こった事なので、警察としては、罪の重さよりも社会的注目度を採ったのでしょう

 だから、罪が重い巨額融資詐欺事件全ての立件を断念しても(握り潰しても)、罪が軽い贈収賄事件の立件に踏み切ったのです

 

 以上の思惑から、中林受刑者は、ありもしない贈収賄事件をでっち上げたのです

 それに利用されたのが、あの爽やかイケメン市長です

 たまたま、三人で会食をした場面を、お金を渡した場面に利用をしたのでしょう

 だから、中林受刑者と、会食の同席者との証言が全く食い違っているのです


 以上ような、特殊な事情から、中林受刑者は嘘をついたのです

 つくづく、裁判所は素晴らしい判断をしたと思います

 
 
 さて、明日も、最近の無罪判決についてお話する予定です

 

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