想定外の被告人質問。
おはようございます



今日も、イマイチな空模様ですね


今週最後の金曜日、張り切って行きましょう



昨日は、さいたま地裁に、殺人、放火事件の傍聴に行ったお話でした

その途中、裁判所にその日の予定を訊くも、期日しか言えませんの一点張りで、全く話になりませんでした



ホント、ムカつきました




さて、今日も、その後のお話です


ボクは、301号法廷の扉を開けると、そこには驚きの光景が広がっていました





何と、被告人質問が行われていたのです




恐らく、殆どの方が、扉を開けたらもう裁判が終わっていた、と言う予想をしたでしょうが全然違います



裁判はおもいっきり開かれていたのですが、証言台に座っている人間が、山野被告だったのです



ボクは、その光景を観た時、〝えっ





何故なら、昨日もお話したように、被告人質問はまだ先だろうと思っていたからです




あくまでも、今回の傍聴は、被告人質問の日程を探る上での〝スカウティング〟だったのです



ところが、その予想に反し、おもいっきり被告人質問が行われていたのです



勿論、裁判上は何ら問題なく進行しているのであって、ただ単にボクの中でだけ予想と違っていたという事です



因みに、この日は約30人位の傍聴人が居ました



また、検察官の後ろには、被害者遺族が3人座っていました



ともあれ、被告人質問が始まっている以上、仕方ないので、完全に出遅れましたが必死にメモを取りました



ボクが、法廷に入ったのは16時で、検察官がメールの内容を山野選手に質問していました



その質問に、淡々と答える山野選手


ところが、何とその五分後に、裁判員裁判特有の休憩になりました



15分休憩して、16時20分から再開だそうで、ボクは法廷に入ったばかりだったので拍子抜けしちゃいました




ボクは、どこにも行かず、傍聴席に座っていました


別に、休憩だからと言って、必ずしも法廷から出なくてもいいのです



そして、15分後の16時20分少し前に山野選手が入って来て、続いて裁判員と裁判官も入って来て、審理が再開しました



休憩前は、検察官の質問が丁度終わった所だったので、キリが良かったのでしょう



次は、裁判員からの質問に移りました



ボクは、誰か質問するのかなと注目していたのですが、意外にも傍聴席から見て、左側の3人から一つずつ質問して行きました


それらの質問の中で、印象に残っている山野選手の証言は、
『火災当日のことは良く覚えていない。』
と、言うものでした



ボクは、むしろ逆で、鮮明に覚えているのが普通だと思います





人は、毎日ルーティーンのように繰り返していることは、そんなに記憶していなくても、そうではない非日常の出来事は、鮮明に記憶されていると思うんですよね



例えば、交通事故に巻き込まれた人が、その瞬間を思い出すと、スローモーションのようだったと言う話は良く聞きますよね



交通事故って、正しく非日常ですよね

それと同じで、自宅が火事になるなんて、典型的な非日常ですよね

それを覚えてないというのは、ボクには理解出来ないんですよね



勿論、突然の事で気が動転していた、と言うのは分からなくもないですが、とは言えその時の状況をあまり覚えていないと言うのは、いささか疑問が残ります



次に、傍聴席から見て右側の裁判員3人の内、一人が質問しました



残りの二人は、全く質問しませんでした



その理由は、当然ながらボクには分かりませんが


とにかく、山野選手は、裁判員の質問に黙秘をする事などなく、全て答えていました



ただ、強く印象に残ったのは、質問に端的に答えるのではなく、あ~だこ~だと付け加えていました



続いて、裁判官からの質問に移りました



その内容は、主に下記の通りです


・ せいら(愛人)にうつ病があった。
・ せいらが通夜に出たのは、子供と仲良くしていたから。
・ 平成20年12月27日のメールで、「多分一生忘れないと思う。」とせいらから受信したのに対し、その6分後に「反省している。大切なこと。せいらと一緒に考える。」と、返信した意味。
・ 直子(亡くなった奥さん)に自傷行為があり、それを被告人に見せることがあった。
・ 事件少し前に、直子と言い争いなどはない。
・ 事件当日、夜勤が終わりせいらと会って自宅に帰宅。
・ 事件当日は朝5時に起きた。
・ 起きてから出掛けるまでは、5分から10分位で出れる。
・ 寝室のドアは毎回閉めていた。
・ 当日、変な匂いには気付かなかった。
・ 事件当日は、会社を8時とか8時半とかに出た。
・ 火災現場に帰って来たには9時~10時。
・ 持っていたライターは、会社での焚き火の為。
・ 焚き火をするのは、トラックを暖気している間の暖を取るため。
・ 事件当日の行動を調書にしたと思うが、具体的なことは話していない。
・ 当時、直子との離婚を希望していた。
・ 火災当時、直子や娘にはどういう気持ちだったか。娘→可哀想。直子→冷めていた。
・ せいらとの再婚については、迷いはなく嬉しかった。
・ 第三者が自宅に火を付けたと主張するが、その人間に対してどう思うか。→それは分からない。
・ 誰かに、火災のことをメールしたか。→していない。
・ 普通は、そんなことがあれば誰かに言うと思うが。→せいらには言った。
・ カイト君(息子)が無事だったのは良かった。
・ ポリタンクは、一年以上ずっと屋根の上にあった。
等と、証言していました



この中で、ボクが気になったのが、山野選手が持っていたライターです

その理由は、トラックを暖気する間に焚き火をする為だと主張しますが、そんな火を起こしている間に、トラックのエンジンなんて暖まると思うのですが



それから、屋根の上にポリタンクがあった理由も不自然で、そもそも空のポリタンクを屋根の上に置くのかなと言う疑問と、空ならば風で屋根から落ちると思うのですが


と、ちょっと首を傾げたくなる証言もありました



これらの質問の殆どが、傍聴席から見て左側の裁判官からでした




とにかく、左の裁判官が、色々と質問していたのが強く印象に残っています



肝心の裁判長は、最後の4つ位しか質問せず、たいして質問していませんでした





刑事裁判経験者から言わせると、裁判官から質問されると言うことは、悪いことではないと思います



質問をするということは、それは興味があるからです



なので、何らかの興味があるから訊くのであって、興味がなければ何も訊きませんから




一体、これらの証言は、裁判官にどんな心証を与えたのでしょうか

因みに、ボクの裁判の時は、裁判官から一つも質問されませんでした



この事から分かるのは、もうこの時点で、裁判官達の心証は決まっていたのでしょう




まっ、高裁でひっくり返してやりましたが



と、何だかんだ質問があり、17時に裁判は終了しました



次回は、翌日の10時から、被害者の意見陳述だそうです



ボクは、公判が終わり、改めてこの日に来といて良かったなと痛感しました



ボクの予想では、この日に被告人質問が行われるとは思ってもみなかったので、ラスト一時間だけでも傍聴出来て良かったです



もし、この日に足を運ばなければ、被告人質問をまんまと見逃していたのですから…




因みに、被告人の声は、大きくもなく小さくもなく、普通に聞き取りやすい声量で、声を荒げることも一切無かったです


そして、ボクは帰路に着き、次回は検察の論告に来ようと決めました



何故なら、死刑が求刑されるか観たかったからです




さて、来週も、この続きをお話する予定です


それでは、良い週末を





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