日本初(?)有罪率99.9%の刑事裁判で〝二度も〟無罪判決を勝ち取った男のブログ!

過去、二度も刑事裁判の被告人として法廷に立たされるも、自力で反証、反駁をし二度も無罪判決を勝ち取る!そんな私が、あらゆる事を綴る!

『合理的な疑いを差し挟む余地があると言わざるを得ない。』





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  『主文。原判決を破棄する。被告人は無罪。』


 と、予想外の声が506号法廷に響き亘る。

 安堵の顔を浮かべる、二人の弁護人…。

 苦虫を噛み潰したような、何とも言えぬ表情の検察官…。

 歓声は上がらないものの、〝ざわざわ〟する傍聴席…。

 三者三様の表情が、そこにはあった。


 法廷を傍聴席から見て、証言台を中心に縦に分割すると、左側に陣取る弁護側は『天国』、右側に陣取る検察側は『地獄』、と言った縮図がそこにはあった…。

 正に、三振かホームラン。白か黒。表か裏。

 と、言う完璧に対立した結果となった、恐喝事件控訴審判決。


 ボクは、傍聴席でオドロキながらも、必死に裁判長の判決理由に耳を傾けます。

 しかし、いかんせんこの事件は判決が初傍聴だった為、事件の詳細が掴みにくかったのですが、何となく掴めた事件の概要は下記の通りです。


 ①平成23年2月、韓国料理屋を経営する高橋が、被告人の吉野から50万円を喝取された。
 ②その後、吉野は逮捕されるも、その50万円はあくまでも貸金の返還であったと、真っ向から完全否認。
 ③事件の〝柱〟は、被害者の高橋供述と、関係人の金沢供述の信用性。
 ④これと言った、物的証拠は皆無。詰まり、被害者らの供述に依拠。


 と、言う事件で、罪名は違えどボクの事件と共通する部分が多かったです。

 はっきり言って、②③④はボクの事件と全く一緒でした。


 そして、判決理由の中で、幾度となく登場した文言が、

  『合理的な疑いを差し挟む余地があると言わざるを得ない。』

 と、言う文言でした。

 これは、刑事訴訟法で定める、

 『検察官は、合理的な疑いを差し挟む余地のない程度に証明しなければならない。』

 と、言う定めに対しての否定です。

 詰まり、こんな回りくどい言い方ではなく、簡単に言うと、『検察側の描く構図は、ちょっとおかしいんじゃない?』って、言ってるのです。

 この、『合理的な疑いを差し挟む余地のない程度に証明しなければならない』と、言う定めを法律では『挙証責任』と言い、これは検察官が負う責任です。

 ホント、法律用語はこうした実に回りくどい言い方をするのですが、ザックジャパン、あっ、ザックバランに言うと、『これおかしくない?って突っ込まれない程度に犯罪を証明してね。』って意味です。

 なのに、前記の通り、『合理的な疑いを差し挟む余地があると言わざるを得ない。』と、判決理由で述べると言うのは、一審判決の事実認定ないし検察側の構図はおかしいでしょっ、と言っているのです。

 
 その後も、判決理由の朗読が続き、一時三十分に開廷してから閉廷まで何だかんだで40分以上は掛かっていました。

 ボクの時は、30分だったのでそれよりも長く判決理由の言い渡しをしていました。

 やはり、無罪判決、ましてや〝逆転〟無罪判決であれば、一審判決の有罪判決を根底からひっくり返す訳ですから、それはそれは当然判決理由は冗長になるでしょう。

 ボクの、控訴審判決の判決文もA4の用紙に13枚と言う〝長編大作〟でした。

 多分、この逆転無罪判決の判決文も、15枚以上の長編大作だと思われます。

 
 そして、言い渡しが終わり、裁判長から

  『検察官は上告する場合は、14日以内に上告の申し立てをして下さい。』 

 と、検察にとっては実に屈辱的な文言を言い、機械的な流れで判決の言い渡しは終了。

 これと同じ文言を、二ヶ月前は法廷の中で聴いたなぁ~と、ふと思い出しました。(笑)

 三人の裁判官達は、〝元〟被告人のボクには目もくれず、とっとと引き上げて行きました。(笑)


 それからボクは、法廷の外へと歩き始めました…。